手書きメモを文字起こしする方法とコツ
手書き文字の文字起こしを正直に解説。うまく読めるもの・読めないもの、メモの撮影と確認の方法、そして手入力や音声入力のほうが早い場面を紹介します。
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手書き文字は、日常的なOCRの作業の中でもっとも難しいものです。丁寧に書いたメモなら、少し直すだけでうまく変換できることがあります。続け字の筆記体は、正しい単語と意味不明な文字列が混ざった結果になりがちです。手元のメモがどちらのタイプか、そしてどう撮影するかによって、OCRで時間を節約できるか、かえって手間が増えるかが決まります。
このガイドでは、まず期待できることを正直にお伝えし、そのうえで撮影、確認、そしてメモを打ち直したほうが単純に早いケースを紹介します。
OCRで読めるもの、読めないもの
オープンソースのTesseractエンジンをはじめ、ほとんどのOCRエンジンは、さまざまなフォントの印刷された文字から読み方を学んでいます。手書き文字ははるかにばらつきが大きく、人によって、ページによって、さらには同じ文の中の同じ文字でさえ形が変わります。何よりも重要なのは、あなたの字がどれだけ活字に近いかです。
ブロック体の手書き文字
一文字ずつ離して書き、単語のあいだをはっきり空けた文字がもっとも有利です。大文字のブロック体は、多くの場合いちばん読み取りやすい書き方です。ほとんどの単語は正しく出てきますが、誤りは、あなたの字で形が似ている文字のあたりに集中します。aとo、uとn、rとv、1と7、4と9などです。
続け字の筆記体
筆記体では文字同士がつながっているため、エンジンはどこで1文字が終わり、次の文字が始まるのかを判断できません。ループやつなぎの線が、余分な文字に見えてしまいます。汎用のOCRエンジンでは、いくつかの単語は正しく読めても、残りは崩れた文字列になるのが普通です。
手書き文字専用に作られたシステムは手書きテキスト認識(HTR)と呼ばれ、手書きのサンプルで学習しているため筆記体にもより強いのですが、やはり間違えることはあります。メモの大半が筆記体で、それをテキストにする必要があるなら、修正の時間を確保しておくか、後半で紹介する別の方法を検討してください。
行になっていないものすべて
矢印、マインドマップ、囲み、丸で囲んだ単語、取り消し線を引いた語句、余白に詰め込んだメモは、OCRが1行ずつページを読む方法に合いません。たいていは読み飛ばされるか、無関係な文字になってしまいます。図やスケッチは画像のまま残しておく必要があります。
手書きのページを撮影する
きれいな写真を撮るための基本的なルールはここでも同じで、OCRの精度を上げる方法で紹介しています。手書き文字には、それに加えて特有の問題があります。
- 鉛筆は薄くて光ります。 黒鉛は光を反射するため、鉛筆のメモは写真で白っぽく飛んでしまうことがあります。柔らかく均一な光の下で撮影し、あとでコントラストを上げてください。
- 罫線がじゃまをします。 ディセンダー(g、y、pの下に伸びる部分)を横切る罫線は、文字と一体化してしまうことがあります。グレースケールに変換してコントラストを上げると、濃いインクより薄い青の罫線のほうが薄くなることがよくあります。
- 裏写りがエンジンを混乱させます。 薄い紙の両面に書いた場合、裏のページが透けて見えます。スキャンするなら、ページの後ろに黒い紙を1枚置いて隠してください。
- ノートは綴じ目の近くで曲がります。 綴じ目に近づくにつれて行が曲がります。ノートをできるだけ平らに押さえ、見開きではなく1ページずつ撮影してください。
- ホワイトボードは反射します。 少し斜めから撮って反射を文字からずらし、そのあと4隅補正で写真をまっすぐにしてください。赤や緑のマーカーは、黒や青より薄く写ることがよくあります。
- 付箋にはコントラストが必要です。 付箋の縁がはっきりわかるように濃い色の面に置き、文字が画面いっぱいに写るくらい近づいて撮影してください。
読み取りと結果の確認
手書き文字のOCRが成功するかどうかは確認の段階で決まります。だからこそ、効率よく進めましょう。
- ツールに手書き用の設定があれば使いましょう。 Image to Text Appでは、手書きの文字起こしのページで、メモ向けに調整した前処理を行う手書きモードを使います。丁寧なブロック体の文字でもっとも効果を発揮します。
- 信頼度は低めになると考えておきましょう。 手書き文字では、全体の信頼度が「中」や「低」になるのは普通のことです。注意して読むようにという合図であって、結果が役に立たないという意味ではありません。
- 印の付いた単語を順に確認しましょう。 エンジンが自信を持てなかった単語には下線が付きます。次々に移動しながら、画像と見比べて1つずつ直してください。
- 意味が通らない単語は画像で確かめましょう。 テキストの行をクリックすると写真の該当箇所がハイライトされるので、探し回らなくても元の手書き文字を確認できます。
- 繰り返し出る誤りはまとめて直しましょう。 手書きの「a」がいつも「o」になる場合は、検索と置換で時間を節約できます。ただし、一括で置き換えると正しく読めていた単語まで変わってしまうので、置換は1つずつ確認してください。
- 読めないところには印を付けましょう。 画像を見ても判読できない単語は、推測で埋めずに[?]のような印を入力しておきます。推測で入れた誤りは、あとで見ると正しく見えてしまいます。
確認は記憶が新しいうちに行いましょう。判読しにくい単語も、1か月後よりも今日のほうがずっと確実に記憶で補えます。
打ち直すか、OCRを使うか
紙からテキストにするのに、OCRがいつもいちばん早いとは限りません。おおまかな目安は次のとおりです。
- 数行だけなら。 そのまま入力しましょう。写真を撮り終わる前に打ち終わります。
- 丁寧なブロック体で書いた数ページなら。 OCRで読み取って確認するほうが、たいてい入力するより早く済みます。タイピングが速くない方ならなおさらです。
- 崩れた筆記体の数ページなら。 修正に、打ち直す以上の時間がかかることがあります。代わりに音声入力を試してみてください。Windows(Windows+H)、macOS、iOS、Androidに組み込まれた音声入力に向かってメモを読み上げます。自分の手書き文字をいちばんよく読めるのは自分自身ですし、多くの人にとっては話すほうが打つより早いものです。
- 主にあとで検索したいメモなら。 完璧でないOCRでも役に立ちます。ページを検索可能なPDFとして保存すれば、画像はそのままで見えないテキスト層が加わるため、元の手書き文字を見ながら、ほとんどのメモをキーワードで探せます。
- 編集して共有するメモなら。 読める部分をOCRで読み取って修正し、画像をWordに変換ツールでWordファイルとして書き出してから、Word上で書式を整えましょう。
変換しやすいメモの書き方
メモがいずれテキストになるとわかっているなら、いくつかの習慣で大きな差が出ます。
- 文字はつなげずに一文字ずつ書き、単語のあいだをはっきり空ける。
- 濃い色のペンを使う。サインペンやゲルインクのペンは、ボールペンや鉛筆よりきれいに写ります。
- 1段組みで書き、メモは余白の内側に収める。
- 見出しは大文字で独立した行に書き、箇条書きの項目はダッシュで始める。
- 並べ直しやすいように、ページに番号を振る。
- 図は、文章とは別の場所に描く。
どれも完璧な結果を保証するものではありませんが、OCRエンジンがもっとも得意とする印刷された文字に、メモをぐっと近づけられます。文字が取り違えられる理由や信頼度スコアの決まり方については、OCRの仕組みをご覧ください。